魔法の小箱 スキップフロアで手に入れる開放的な空間

魔法の小箱 スキップフロアで手に入れる開放的な空間
家をたてたい
マリコ

叔父さん。今回も相談したいことがあるんです。私たちは土地を持っていて家を探しているんですけど、土地はそこまで大きくないわ。自分たちの理想の家を作り上げたいの。限られたスペースの中で広く住みたいんです。主人は多趣味な人だからそれに対応している家が欲しくて、私は家事をしながら子供も見なくちゃいけないから、一気にそれが実現出来るような家が良いわ。注文住宅のなかでそんな希望を解決してくれる家ってありますか?

 

設計士
オジー

そうだね、マリコさんとイエカズはまだ若い。しかも初めての持ち家となると狭小地でも広く住める家が欲しい、っていうのは当たり前のことだね。特に都心ともなれば狭小地は当たり前だよね。土地が狭いとなると建物も小さくなってしまってなかなか希望を叶えることが難しくなってしまうよね。となると間取りで工夫するしかないよね。じつはそんな悩みを打ち消してくれる、魔法のような家が今業界で話題になっているんだ。マリコさんは「スキップフロア」って言葉聞いたことあるかな。

 

家をたてたい
マリコ

スキップフロアね!聞いたことあるわ。でもどんなものか具体的なイメージが沸かないです。

 

設計士
オジー

よし、じゃあ今回はスキップフロアについて説明しよう。夢がかなえられるような空間だからよく聞いてほしいな!

 

「スキップフロア」とは、床の位置を縦にずらし、各フロアを短い階段で結ぶ段差構造のことです。壁で空間を仕切るのでは無く、床の段差によって立体的に分けるので、廊下などの無駄がなくなり、同じ建坪の一般的な2階建てと比べると、より広々と開放的に暮らすことが出来ます。家全体が一つの空間のように緩やかに繋がるので、家族とのコミュニケーションが取りやすく、冷暖房の消費エネルギーも少なくて済みます。空間の無限性、居住性の良さ、機能性、生活環境、安全性、コストパフォーマンス、そして暮らすことの楽しみ。住宅に求められるこれらの条件を、高いレベルで満たすにはスキップフロア構造はお勧めです。

ビジュアルで理解するスキップフロア

これまで文章で説明してきましたが、スキップフロアの構造を理解するには写真の方がわかり易いかと思います。
下の写真はスキップフロアを採用している家の断面図です。

まず一見して一般的な2階建てと比べると廊下などの無駄なスペースが無いことが分かります。そして寝室、リビングダイニング、ホビールーム、子供部屋が階段と扉で緩やかにつながっています。

家をたてたい
マリコ

うわ~!!いきなりですけど感動しています。廊下がないなんて発想、考えもつかなかったわ!!

 

設計士
オジー

その通り、一番目につく特徴は「廊下がない」ってことで、それが省スペースになって狭小地でも広々とした空間を実現しているんだ!

 

スキップフロアの家の恩恵

スキップフロア構造によって得られる恩恵はこの他に様々あります。以下に挙げます。

1.デッドスペースを有効活用

スキップフロアによって生まれる余剰空間を、暮らしを楽しむスペースとして自由に使うことが出来ます。0.5階、1階、1.5階、2階とジグザグになっている空間において、本来1階にキッチンを配置すべきところ、1.5階に配置して0.5階はホビールームとして活用する事が出来ます。コンパクトな空間が豊かな暮らしを生む、まさにコンパクトリッチな家が可能になります。

2.家族の絆が深まる

空間を壁で仕切らず、各フロアを縦に半階ずつずらしながら、エリアで分けるので家全体が緩やかにつながります。キッチンが1.5階にあるのでキッチンで料理しているママさんが、下階と上階を見守ることが出来て、どこにいてもお互いに声かけがしやすく家族の気配を身近に感じる事が出来ます。写真はキッチンスペースで読書をしている奥様が旦那様に声を掛けている様子です。こういったことがスキップフロアにする事によって可能となります。

3.収納

大切な荷物や思い出を納めておける大きな収納スペースを創ることが出来ます。空間を縦にずらすと季節の不要品や増え続ける子ども用品、思い出の品々などをたっぷり収納出来、生活空間をいつでもすっきり綺麗に保つことが出来ます。つまり今までデッドスペースだった空間を隅々まで有効活用する事が出来るのです。

4.家に可変性が生まれる

開放的なフリースペースを家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、自由に空間を仕切ったり繋いだり出来ます。ラインナップによっては専門のパネルをはめ込むだけで魔法のように簡単に部屋を仕切る事ができるので暮らしにあったベストな住まい方が可能となります。

5.エコロジー


スキップフロアは別名「風をつかむ構造」と言われるほどエコロジーな特徴を持っています。夏は外から取り込んだ涼風を、冬は無垢材の床に蓄熱した暖気を家中に回します。自然の力で室内環境を底上げし、わずかな冷暖房エネルギーで隅々まで快適になります。デッドスペースを隅々まで有効活用出来ると言うことは、太陽光パネルや蓄電池などの最新設備を搭載する事もできるということで、省エネでエコな暮らしが実現出来ます。

家をたてたい
マリコ

こんなに恩恵があるんですね!ちょっと感動しています。

 

設計士
オジー

そうなんだ、今説明した恩恵で言うとデッドスペースを隅々まで有効活用するから、そこをホビールームとして使ったり、地下には蓄電池、屋根には太陽光パネルを置いて環境に配慮した家なんてものも出来てしまう。若い人ならそれぞれの希望があるはずだよね。それは、バイクや車が趣味だから車いじりのスペースが欲しいだったり、とにかくエコを追求したいから太陽光を使い易い家にしたいだったり、家族をいつも見守っていたいという希望を持っていたら、キッチンを1.5階に配置して上下で家族の様子を見守ることが出来る家だったり、そういった希望を叶えてくれるのがスキップフロアの家なんだ。マリコさんとイエカズの希望もばっちり叶えてくれるね!

 

しかしスキップフロアも万能と言うわけではなくデメリットもいくつかあります。以下に挙げます。

スキップフロアの家のデメリット

1.建築コストが高い
空間を上手に活用し収納を多く取れるので、同じ土地の広さの一般的な木造住宅よりも建築コストは掛かります。しかしこのコストパフォーマンスは収納やエコロジーに配慮するなどの利点によりカバーされるので、トータルでみればお得になるケースもあります。

2.施工できる業者が限られる
スキップフロアの家は施工が難しいとされています。そこで必要になってくるのがスキップフロアの家の施工実績で、スキップフロアの家を施工したことがある業者をしっかり見極める事が大切となります。

3.遮音性が低い
大きなワンルームなので遮音性は低くなります。どうしても遮音したい場合は防音壁を作る、遮音カーテンを取り付けるなどの対応が必要となります。

4.バリアフリーとは逆行している
近年人気のバリアフリーの家とは真逆の作りと言われています。段差が何カ所もあるので高齢者の方と同居することが決まっている場合は注意が必要です。しかしこの問題は施工会社と相談し、バリアフリーで生活出来るフロアも作っていく等の工夫が出来れば乗り越える事の出来るデメリットです。

家をたてたい
マリコ

当たり前だけどデメリットもあるのね。

 

設計士
オジー

そうなんだ、でも工夫次第で乗り越えれるデメリットだから、オジーはやっぱり若い二人にはスキップフロアのある家をお勧めするな~

 

まとめ
このようにスキップフロアはデッドスペースを有効活用出来るという点に一番大きなメリットがあります。まさに若い人々の趣味嗜好を、広々スペースでかなえてくれる家と言えるでしょう。

しかしデメリットもあります。

そのデメリットを打ち消すには依頼主様主導の家づくりが必要となってきます。スキップフロアのある家が欲しいと思ったらスキップフロアの家をたくさん建築した実績があるかどうか、建築基準法をクリアした家を建ててくれる業者かなどを、確認しておくことが重要です。「こういう家が欲しい」と具体的なライフプランをもった若い方は、スキップフロアがある家も選択肢の一つとされてはいかがでしょうか。